樹木葬とはなんなのか? その1:概念編

2023年の秋、縁覚寺では新たに樹木葬墓地を開設することになりました。
岐阜県内の樹木葬墓地は、近年増加傾向にありますが、まだまだ数えるほどしかありません。
大垣市の樹木葬墓地には、ほぼ選択肢がない状況です。
今後、縁覚寺の樹木葬墓地が、岐阜・大垣で樹木葬を探されている方のお役に立てればと思っています。

というわけで、我々は皆さんに樹木葬を提案していく立場となりました。
当然、「樹木葬とはなんなのか?」「どのような方に適しているのか?」など色々と思いを巡らせましたので、この記事を皮切りに何回かに分けて樹木葬について、あれこれ私見をまとめてみたいと思います。

「樹木葬」の検索結果から見える混乱

樹木葬という言葉には、やや混乱があるように思います。
例えばインターネットで「樹木葬とは」と検索すると、「墓石ではなく樹木(花木)を墓碑として、自然と共生する納骨・埋葬の方法」などと説明されていたりします。
ここではこれを「概念としての樹木葬」と呼ぶことにします。

一方、「樹木葬」とキーワードを入れて画像検索をすると小型の墓石が並んだ写真が多数表示されます。
「墓石ではなく」と説明されているケースと矛盾します。
また、樹木葬の説明として「墓地、埋葬等に関する法律による許可を得た墓地(霊園)で」という言葉が付記されていることも多くあります。
「概念としての樹木葬」に対比して言えば、これは「サービスとしての樹木葬」と表現できるかもしれません。
「サービスとしての樹木葬」が何を意味するかは、次の記事で詳しくまとめていきます。

私は日本の国内における樹木葬というものを理解するためには、①概念としての側面を踏まえた上で、②サービスとしてどのような形に落とし込まれているかを見ていくことが必要だと思っています。

概念としての樹木葬

まず「概念としての樹木葬」とは何なのか考えてみましょう。
樹木葬はあくまでもお墓の一種です。
したがって樹木葬というものを定義するためには「お墓とは何か?」までさかのぼる必要があります。

お墓とは言わずもがな、ご遺骨やご遺体を安置する場所です。
そして一般的には、そこがお墓であることを示す墓標=シンボルがあります。
そのシンボルは石であったり、札であったり、あるいは古墳だったり、ピラミッドだったりします。
(ピラミッドは近年、厳密に言うと墓ではないという学説もあるそうです)
インターネットで検索すると出てくる説明文にある通り、樹木葬はお墓のシンボルを樹木や花木とする埋葬方法です。

では、墓標が石材の場合と樹木の場合とでは、どのような違いがあるのでしょうか?
様々な観点で比較することができるとは思いますが、私が特に重要だと考えているのがご遺骨と空間との関係性です。

従来のお墓、古墳、ピラミッドなどは、どちらかというと、建造物や部屋などの一定の空間を作って囲う、その中で守るというイメージがあります。
一方、樹木葬には、囲われた空間の外に広がる自然の中に開放していく、あるいは帰していくというイメージがあるのではないかと思います。
つまり、樹木葬は従来の墓石と比較して、自然との繋がりや、自然に還っていくことを強く感じさせるものであると言えます。
先ほど紹介した通り、インターネットでよく見る説明にも「自然と共生する」「自然との繋がり」といった言葉が添えられていることからも、そのことが窺い知れます。

樹木葬はどんな方に適しているか?

ここから自ずと、樹木葬がどのような方に適しているかということも浮かび上がってきます。
通常の墓石のように埋葬のための空間を大きく確保するのではなく、周囲の草木に溶け込む形や、周囲の空間に開かれた埋葬の形を好まれる方。
そのような方は、樹木葬を検討されてみても良いかもしれません。

次の記事では、「サービスとしての樹木葬」の側面に焦点をあて、どのような方に樹木葬が適しているか、より深く掘り下げてみたいと思います。

縁覚寺の樹木葬墓地についてはこちらから
ぎふ大垣樹木葬
https://www.im-jumokuso.com/place/8846

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