2023年の秋、縁覚寺では新たに樹木葬墓地を開設することになりました。
岐阜県内の樹木葬墓地は、近年増加傾向にありますが、まだまだ数えるほどしかありません。
大垣市の樹木葬墓地には、ほぼ選択肢がない状況です。
今後、縁覚寺の樹木葬墓地が、岐阜・大垣で樹木葬を探されている方のお役に立てればと思っています。
というわけで、我々は皆さんに樹木葬を提案していく立場となりました。
当然、「樹木葬とはなんなのか?」「どのような方に適しているのか?」など色々と思いを巡らせましたので、前回投稿した記事から、あれこれ私見をまとめています。
今回は前回の続きです。
「自然に還る」を志向する自然葬
前回の記事では、樹木葬とは樹木を墓標にすることや、樹木の近くにお骨を埋葬する方法であると解説しました。
樹木葬は、従来の墓石と比較して自然との繋がりや、自然に還っていくことを強く感じさせるものですので、そういった感覚を好まれる方にはお勧めできる方法だと思います。
自然に還っていくという方向性を突き詰めたのが、散骨、あるいは森林などの自然の空間に穴を掘って埋葬するという方法、いわゆる自然葬でしょう。
かつて一世を風靡した「世界の中心で、愛をさけぶ」という小説がありました。
その映画版では、亡くなったヒロインの遺骨をオーストラリアの大地に散骨するというシーンがあり、非常に印象的でした。
また、私の父方の祖父の遺骨は仏教発祥の地であるインドに一部散骨されています。
死後にどこか思い入れのある場所に還っていき、その一部となるということには、私自身も少し憧れを持っています。
国内での自然葬は制約が大きい
しかし、ここで立ちはだかるのが法律の壁です。
日本において、お骨の埋葬は墓地埋葬法に基づいて行わねばならず、「焼骨の埋蔵は、墓地以外区域にはしてはならない」と規定があります。
つまり、埋蔵に関しては、墓地にしかできません。
一方、散骨については、それを制限する法律はありませんが、一部条例で禁じている地域もあるようです。
少なくとも日本国内でお骨を自然の中に還す自然葬に関しては、専門の業者さんに依頼するなどして、法的リスクを回避して行う必要がありそうです。
海洋散骨などをサービスとして行なっている業者さんが、いくつかあるようですので、墓地ではないところに散骨してほしいという思いがある方は検討されてみても良いかもしれません。
さて、ここまで読んでいただいた通り、国内でのご遺骨の扱いには結構な制約があります。
樹木葬においても、それは例外ではなく、例えば故人に縁のある土地の木の根元にご遺骨を埋めてくるという行為は法に触れるリスクが高いでしょう。
したがって、ご遺骨を埋葬する際には、国内の法的ルールをふまえて提供されている樹木葬を選ぶ必要があるということになります。
インターネットで検索すると、様々な樹木葬のサービスが出てきます。
これらはいずれも樹木葬の基本的概念や特徴を踏まえながら、国内で提供可能な形に落とし込んだ「サービスとしての樹木葬」ですので、どれを選んでいただいても大きな間違いはないはずです。
しかし、どの業者さんも、墓地の立地や自社の強みや特徴を活かしてサービスを設計されており、一口に樹木葬といっても、その形は様々です。
そこで、このシリーズの後半では、サービスとして提供されている樹木葬をいくつかのタイプに分けて、それぞれの特徴を紹介していきたいと思います。
本記事では、自然葬について扱いましたので、まずは自然葬としての樹木葬を実現するサービスを紹介していきます。
自然葬としての樹木葬を実現するサービス
いきなり海外の話になってしまいますが、近年国内のビジネス系メディアでも取り上げられ話題となったのが、アメリカのスタートアップ企業であるBETTER PLACE FORESTSが提供するサービスです。
同社はアメリカ国内の森を多数所有し、その森の木を遺灰の埋葬場所として販売するサービスを行なっています。
同社が所有する土地は永久に開発してはならないことを規定する保全地役権によって保護されており、木を購入した家族はその木を永久に保有する権利を得ることができます。
万が一、会社が潰れてしまった場合でも、保全地役権があるため山林が開発されることはありません。
また、遺灰は土や肥料と混合した上、購入した木の根元に挿し込まれ、森のライフサイクルの一部となっていきます。
また、国内でもBETTER PLACE FORESTSと同じような自然葬としての樹木葬を大規模に提供するサービスが出てきました。
公益財団法人大阪府都市整備推進センター大阪北摂霊園が運営する樹木葬「木もれ日と星の里」は、その一例です。
BETTER PLACE FORESTSも木もれ日と星の里も、それぞれの国内の法律に適合する形で自然葬としての樹木葬を実現するサービスです。
こういった形態の樹木葬は、今後国内でもどんどん増えていくのではないかと思います。
少し人里離れた場所で、木々に囲まれて埋葬されたい、したいという方にはとても魅力的なサービスなはずです。
次回はこれらとは少し違った形の樹木葬サービスを紹介し、あらためて国内で利用できる樹木サービスのタイプ分けをしてみたいと思います。
そして、岐阜・大垣で現状どのような選択肢があるのかについても触れ、縁覚寺の樹木葬墓地についても紹介します。
縁覚寺の樹木葬墓地についてはこちらから
ぎふ大垣樹木葬
https://www.im-jumokuso.com/place/8846